*** 児童虐待の防止等に関する法律 ***
  --BACK-- --TOP--


 公布:平成12年5月24日法律第82号
 施行:平成12年11月20日

(目的)
第一条 この法律は、児童虐待が児童の心身の成長及び人格の形成に重大な影響を
    与えることにかんがみ、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の防止に関す
    る及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護のための措置
    等を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進することを
    目的とする。

(児童虐待の定義)
第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後
    見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその
    監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)に対し、次に掲
    げる行為をすることをいう。

 一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

 二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせるこ
   と。

 三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置その他
   の保護者としての監護を著しく怠ること。

 四 児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

(児童に対する虐待の禁止)
第三条 何人も、児童に対し、虐待をしてはならない。

(国及び地方公共団体の責務等)
第四条 国及び地方公共団体は、児童虐待の早期発見及び児童虐待を受けた児童の
    迅速かつ適切保護を行うため、関係機関及び民間団体の連携の強化その
    他児童虐待の防止等のために必要な体制の整備に努めるものとする。

 2 国及び地方公共団体は、児童虐待を受けた児童に対し専門的知識に基づく適
   切な保護を行うことができるよう、児童相談所等関係機関の職員の人材の確
   保及び資質の向上を図るため、研修等必要な措置を講ずるものとする。

 3 国及び地方公共団体は、児童虐待の防止に資するため、児童虐待が児童に及
   ぼす影響、児童虐待に係る通告義務等について必要な広報その他の啓発活動
   に努めるものとする。

 4 何人も、児童の健全な成長のために、良好な家族の関係及び近隣社会の連帯
   が求められていることに留意しなければならない。

(児童虐待の早期発見)
第五条 学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健婦、弁護士その他児童の
    福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを
    自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。児童虐待に係る通告)
第六条 児童虐待を受けた児童を発見した者は、速やかに、これを児童福祉法(昭
    和二十二年法律第百六十四号)第二十五条の規定により通告しなければな
    らない。

 2 刑法(明治四十年法律第四十五号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に
   関する法律の規定は、児童虐待を受けた児童を発見した場合における児童福
   祉法第二十五条の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈して
   はならない。

第七条 児童相談所又は福祉事務所が児童虐待を受けた児童に係る児童福祉法第二
    十五条の規定による通告を受けた場合においては、当該通告を受けた児童
    相談所又は福祉事務所の所長、所員その他の職員及び当該通告を仲介した
    児童委員は、その職務上知り得た事項であって当該通告をした者を特定さ
    せるものを漏らしてはならない。

(通告又は送致を受けた場合の措置)
第八条 児童相談所が児童虐待を受けた児童について児童福祉法第二十五条の規定
    による通告又は同法第二十五条の二第一号の規定による送致を受けたとき
    は、児童相談所長は、速やかに、当該児童の安全の確認を行うよう努める
    とともに、必要に応じ同法第三十三条第一項の規定による一時保護を行う
    ものとする。

(立入調査等)
第九条 都道府県知事は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、
    児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住所
    又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。この場
    合においては、その身分を証明する証票を携帯させなければならない。

 2 前項の規定による児童委員又は児童の福祉に関する事務に従事する職員の立
   入り及び調査又は質問は、児童福祉法第二十九条の規定による児童委員又は
   児童の福祉に関する事務に従事する吏員の立入り及び調査又は質問とみなし
   て、同法第六十二条第一号の規定を適用する。

(警察官の援助)
第十条 第八条の規定による児童の安全の確認、同条の一時保護又は前条第一項の
    規定による立入り及び調査若しくは質問をしようとする者は、これらの職
    務の執行に際し必要があると認めるときは、警察官の援助を求めることが
    できる。

(指導を受ける義務等)
第十一条 児童虐待を行った保護者について児童福祉法第二十七条第一項第二号の
     措置が採られた場合においては、当該保護者は、同号の指導を受けなけ
     ればならない。

 2 前項の場合において保護者が同項の指導を受けないときは、都道府県知事は、
   当該保護者に対し、同項の指導を受けるよう勧告することができる。

(面会又は通信の制限)
第十二条 児童虐待を受けた児童について児童福祉法第二十八条の規定により同法
     第二十七条第一項第三号の措置が採られた場合においては、児童相談所
     長又は同号に規定する施設の長は、児童虐待の防止及び児童虐待を受け
     た児童の保護の観点から、当該児童虐待を行った保護者について当該児
     童との面会又は通信制限することができる。

(児童福祉司等の意見の聴取)
第十三条 都道府県知事は、児童虐待を受けた児童について児童福祉法第二十七条
     第一項第三号の措置が採られ、及び当該児童の保護者について同項第二
     号の措置が採られた場合において、当該児童について採られた同項第三
     号の措置を解除しようとするときは、当該児童の保護者について同項第
     二号の指導を行うこととされた児童福祉司等の意見を聴かなければなら
     ない。

(親権の行使に関する配慮等)
第十四条 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、その適切な行使に配慮
     しなければならない。

 2 児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪につい
   て、当該児童の親権を行う者であることを理由として、その責めを免れるこ
   とはない。

(親権の喪失の制度の適切な運用)
第十五条 民法(明治二十九年法律第八十九号)に規定する親権の喪失の制度は、
     児童虐待の防止及び児童虐待を受けた児童の保護の観点からも、適切に
     運用されなければならない。

(大都市等の特例)
第十六条 この法律中都道府県が処理することとされている事務で政令で定めるも
     のは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十
     九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)及び同法第二百五十
     二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)においては、
     政令で定めるところにより、指定都市又は中核市(以下「指定都市等」
     という。)が処理するものとする。この場合においては、この法律中都
     道府県に関する規定は、指定都市等に関する規定として指定都市等に適
     用があるものとする。

   附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日(平12年5月24日)から起算して六月を超えない範
    囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条中児童福
    祉法第十一条第一項第五号の改正規定及び同法第十六条の二第二項第四号
    の改正規定並びに附則第四条の規定は、公布の日から起算して二年を超え
    ない範囲内において政令で定める日から施行する。

(検討)
第二条 児童虐待の防止等のための制度については、この法律の施行後三年を目途
    として、この法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、その結果に基
    づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


--- おまけ ---

<問題> 次の文は、児童虐待の防止等に関する法律です。(   )の中に
     あてはまる言葉を≪解答群≫から選択しなさい。

 1) 【目的】
   この法律は、児童虐待が児童の(     )及び(     )に重大な
   影響を与えることにかんがみ、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の防止に
   関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護のための措
   置等を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進することを
   目的とする。

 2) 【児童虐待の定義】
   一 児童の身体に(  )が生じ、又は生じるおそれのある(  )を加え
     ること。

   二 児童に(    )な行為をすること又は児童をして(    )な行
     為をさせること。

   三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい(   )又は(   
       )その他の保護者としての(   )を著しく怠ること。

   四 児童に著しい(     )を与える言動を行うこと。

 3) 【児童虐待の早期発見】
   学校の教職員、児童福祉施設の職員、(  )、(   )、(   )そ
   の他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあ
   ることを自覚し、(    )の早期発見に努めなければならない。

 4) 【立入調査等】
   (      )は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、
   (    )又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住
   所又は居所に立ち入り、必要な(  )又は(  )をさせることができる。
   この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させなければならない。

≪解答群≫

 ・弁護士  ・児童委員   ・保健婦   ・都道府県知事 ・医師 ・質問
 ・児童虐待 ・心理的外傷  ・暴行    ・外傷     ・わいせつ
 ・減食   ・長時間の放置 ・人格の形成 ・心身の成長  ・調査 ・監護

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<解答>

 1) 【目的】
   この法律は、児童虐待が児童の(心身の成長)及び(人格の形成)に重大な
   影響を与えることにかんがみ、児童に対する虐待の禁止、児童虐待の防止に
   関する国及び地方公共団体の責務、児童虐待を受けた児童の保護のための措
   置等を定めることにより、児童虐待の防止等に関する施策を促進することを
   目的とする。

 2) 【児童虐待の定義】
   一 児童の身体に(外傷)が生じ、又は生じるおそれのある(暴行)を加え
     ること。

   二 児童に(わいせつ)な行為をすること又は児童をして(わいせつ)な行
     為をさせること。

   三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい(減食)又は(長時間の
     放置)その他の保護者としての(監護)を著しく怠ること。

   四 児童に著しい(心理的外傷)を与える言動を行うこと。

 3) 【児童虐待の早期発見】
   学校の教職員、児童福祉施設の職員、(医師)、(保健婦)、(弁護士)そ
   の他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあ
   ることを自覚し、(児童虐待)の早期発見に努めなければならない。

 4) 【立入調査等】
   (都道府県知事)は、児童虐待が行われているおそれがあると認めるときは、
   (児童委員)又は児童の福祉に関する事務に従事する職員をして、児童の住
   所又は居所に立ち入り、必要な(調査)又は(質問)をさせることができる。
   この場合においては、その身分を証明する証票を携帯させなければならない。